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岩手県立福岡工業高等学校の歴史

 過去、岩手県には県立の工業高校が3校しかなかった状態が長い間続きました。昭和35年に日本政府の所得倍増計画という政策のもと、工業技術者の不足が訴えられて、これに呼応した県教育委員会は、昭和37年は大船渡市に、昭和39年には県北に工業高校を新設する基本方針を示しました。
 この方針を受けて、当時の久慈市、一戸町、福岡町(現二戸市)で激しい誘致運動が展開されました。昭和36年に福岡町長を会長とする二戸地区工業高等学校設置期成同盟会が設置されて、二戸郡(九戸村を含む)、軽米町、岩手町、葛巻町、青森県の田子町、三戸町、南部町、名川町などの隣接町村をまとめて強力に誘致運動を展開しました。これが功を奏して、昭和37年に福岡町に設置されることに決定しました。
 その後、昭和38年に県の条例によって、岩手県立福岡工業高等学校の設置が正式に決定されました。場所は現在の校舎が建っている、石切所中学校跡地です。そして昭和39年4月16日に県北の町村待望であった岩手県立福岡工業高等学校が開校し、その開校式が第1回入学式を兼ねて盛大に開催されました。

 現在本校は、機械システム科と電気情報システム科の2学科で構成され、全校で152名が在籍しています。
 平成28年度に、みたけ支援学校二戸分教室高等部が併設されて、対面式や奉仕活動、校内体育大会、文化祭など一緒に活動をして親交を深めました。今年度は新たに11名が入学し、全校で24名が在籍しています。
 本校の生徒は、日々の勉強の他に、各種資格取得にも積極的に取り組んでおり、難しい国家資格を取得する生徒も少なくありません。昨年度は高校3年間で取得した資格や検定、コンクールなどの成績により表彰される「全国工業高等学校校長協会ジュニアマイスター顕彰」で、5名が特別表彰を受けました。
 さらに、「高校生ものづくりコンテスト」という工業の専門分野ごとに高度な技術を競う大会にも出場しており、昨年度は東北大会で「電気工事部門」2位、岩手県大会で「電気工事部門」、「電子回路組立部門」の両部門で優勝しました。
 また、部活動では、弓道部が県新人大会男子団体優勝や東日本大会男子3人制準優勝。柔道部が県高校総体、県新人大会、県選手権大会男子団体3位など、各種大会で好成績を挙げています。
 進路では、例年約9割の生徒が就職を希望しており、地元(管内)、県内、そして関東を中心とした県外の企業に採用されて活躍しています。